愛すべき変わり者の魅力を表現する

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9月28日(木)の新人・新刊・著者情報です。

著者のHAMAYUさんは、理系男子である長男の育児日記を、イラスト付きでインスタグラムに投稿しています。

今回の著書は、インスタグラムの投稿に、書き下ろしのエッセイと漫画を加えて書籍化されたものです。

変でも、そのままの自分を出してみたい

理系の人たちの生態をコミカルに描いた漫画は数多くあります。実用書ではなくエンタメとして本を読む人たちの多くは文系なので、彼らの発想や行動は、自分の経験や常識を超えていてどこか極端に思えるため、「なぜ?」「どうして?」という好奇心がそそられるのでしょう。

人気のコミック『ヲタクに恋は難しい』や、ベストセラーになった『最後の秘境 東京藝大』もそうですが、理系に限らず、「頭のいい変人」「愛すべき奇人」をモチーフにした本が、最近売れています。その背景には「変に思われるかもしれないけど、そのままの自分を出してみたい」という読者の願望もあるのでしょう。

抜け感のある変わり者は受け入れやすい

「愛されたい」という願望と、「特別な存在になりたい」という願望は、時に相反します。人気者になりたいけれど、目立つと叩かれる。個性や才能を発揮すれば、異端視され敬遠される。出る杭が打たれる文化の中で、自分を押し殺して生きている人は、ありのままにふるまっている人や、勇気を出して自分を表現している人を見ると、抑圧している部分が刺激され、憧れたり憎んだりします。

そんな複雑な感情を持つ読者をターゲットにして、妬みの心に訴える「ズルい」というタイトルの本が相次いで出版されていますが、「頭はいいけど、どこかヘン」「才能はあるけど、庶民的」といった抜け感がある人に対しては、ドロドロした感情が和らぎ、受け入れやすくなるようです。

変わっているけど愛おしい人への愛を表現する

配偶者や我が子の変わった部分を愛おしく思う気持ちと、「でも、やっぱり変かもね?」という客観が両立すれば、エンタメの形をした啓発書ができます。単に「変でもいい」ではなく、「そこが好き!」というところまで感情が昇華できれば、さらに表現に説得力が増します。

身近な人だからこそ描ける感情やエピソードは、学問やデータでは代替できないもの。身内や周囲に、変わっているけれど愛おしい人がいるのなら、その魅力を世間に伝えてみると、「ウチもそう!」という共感や、「それでいいんだ!」という安心感が、読者の心に生まれるかもしれません。

 

【本日のまとめ】

  1. 自分の常識では測れない相手に対して、好奇心を持つ人は多い
  2. その背景には、「自分も個性を出して生きたい」という願望がある
  3. 変わった人への愛と、表現上での客観が両立すれば、出版への道が開ける

 

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