9月21日(木)の新人・新刊・著者情報です。
著者の上原考一さんは、施術家歴14年の整体師。20年以上患っていた椎間板ヘルニアの痛みを自力で克服した経験の持ち主でもあります。
今回の著書では、「筋肉の緊張がほどけた?」と脳を認識させるポーズで、無理なく体の痛みが消える方法を紹介しています。
一瞬で人生が変わる魔法が欲しい
「溺れる者は藁をも掴む」ということわざがありますが、私たち人間は、つらい時や苦しい時ほど、パッと目についたものに飛びついてしまいます。自分が元気な時には、大げさだと感じる健康本のタイトルも、痛みや不調に悩まされている最中には、魔法の呪文のように目に飛び込んできます。
「一瞬で」「10秒で」といった即効性を強調したタイトルは、早くよくなりたいと願う人にはとても魅力があります。また、「よみがえる」「人生が変わる」といった劇的なフレーズは、体をよくするだけではなく、人生そのものまでよくしたいと願っている、読者の深層心理に迫ることができます。
医者が怖い、病院が怖い
健康本では、「自分で治す」「セルフケア」など、病院に行かずに不調を解消したい人に向けたタイトルも目立ちます。肩こりや肌荒れくらいで病院に行くのは大げさだと思う人もいるでしょうし、病院で診察を受けても、腰痛や自律神経失調症がよくならなかったので、自分でケアするしかないと思い、本を購入する人もいるでしょう。
しかし、それよりもっと大きな理由は、医者が怖い、病院が怖いという恐怖心です。診断や治療の中では、痛いことや恥ずかしいことがあるかもしれませんし、「お酒はほどほどにしないと」などと説教されるかもしれません。さらに心身が弱っていると、医師の何気ない一言にも傷つきやすくなります。
弱っている人に届く言葉
普段は理性的な人でも、命や健康がかかっている場面ではどうしても、「早くラクになりたい」「嫌な目にあいたくない」と思う気持ちが勝ってしまう。売れている健康本のタイトルを見ると、そんな人間の弱さに訴えるようで、時にはあざとく感じるかもしれません。
しかし、弱っている人に情報を届けるには、ある種の「強さ」が必要です。「売れれば何でもいい」というなりふり構わない釣りタイトルは、本への信頼を損ねてしまいますが、中味に自信があるのなら、強いタイトルで注目を集めることに躊躇しないでください。
【本日のまとめ】
- 忙しい、怖いなどの理由から、痛みや不調があっても医療機関にかからない人は多い
- 弱っている人は、大げさなタイトルを苦痛から逃れる呪文のように感じてしまう
- タイトルに強さがないと、心身が弱っている人には情報が届きにくい