【出版のヒント】自分のメソッドに名前をつける

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健康本やダイエット本で、よく「〇〇式」のようなタイトルを見かけることはありませんか? それには理由があります。

タイトルで独自の方法であることを強調する

ある健康本の企画に携わっていたとき、著者が推奨する方法に、名前をつけることを提案されました。そこで類書を調べてみたところ、「佐藤式ケア」など著者名をつけた方法をタイトルに掲げた本が多数あることに、あらためて気がつきました。

ほかにも、「ペンギン歩き」「ゆりかご歩き」など、健康法に印象的な名前をつけている本はよく見かけます。健康本や美容法、ダイエット本では類書に差をつけるため、インパクトのあるタイトルに工夫をこらしていますが、そのひとつのテクニックとして、著者の名前を冠したり、興味をそそる名前を付けて、独自のメソッドであることを強調するのですね。

悩みを早く解消したい人の行動とは

健康本といっても、命にかかわる病気を取り上げたものもあれば、多少痛みや不便があっても、日常生活は何とかしのげる症状を改善する方法を紹介したものもあります。たとえば腰痛や肩こり、眼精疲労が、後者にあたります。

後者の場合、読者の多くは、病院に行かずに症状を軽くしたい人です。病院に行きたくない理由は、仕事で忙しかったり、近所に病院がなかったり、何となく抵抗があったりと人それぞれですが、それでも「歩けない」「見えない」「痛みで夜も眠れない」ということになれば、重い腰を上げて受診するでしょう。

そこまでいかない場合、健康情報番組をはじめとしたメディアに頼る人は多いのですが、「早くこの苦痛から逃れたい!」と思うと、人間、パッと見の情報に飛びつく習性があるようで、目立つキーワードに目がいってしまうようなのです。

タイトルやネーミングの理由を確認する

不安を抱えた人を、インパクトのあるキーワードで誘導することに、抵抗のある著者もいるでしょう。中には、これまで真面目に積み重ねてきた実績を、ヘンなネーミングで紹介されるなんて、バカにされていると思う人もいるかもしれません。

しかし、タイトルで釣られたとしても中味が実際に役に立つなら、結局読者は満足するので、たとえ編集者が奇抜なタイトルを提案したとしても、即否定せずに、その理由を尋ねてみてください。本を売りたい気持ちは編集者も同じなので、その人なりの考えがきっとあるはずです。

そして、健康や美容の本を出版したい人は、自分のメソッドにふさわしい名前を考えてみてください。その名前を前面に掲げてブランディングしてもいいですし、晴れて出版となった際に、その名前が採用されなかったとしても、名づけを考える作業は企画内容の的を絞る一助となるでしょう。

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