無味乾燥なイメージの「漢字ドリル」に、子どもが思わず口にしたくなる魔法の言葉「うんこ」をプラスした、『うんこ漢字ドリル』の勢いが止まりません。
テーマの「掛け合わせ」が当たった時の爆発力には、すさまじいものがあります。たとえば、作りおき料理とダイエットを掛け合わせた『やせるおかず 作りおき』シリーズや、旅行とスピリチュアルとコレクションを掛け合わせた御朱印めぐりの本も、これに当てはまります。
ベストセラーを生む掛け合わせとは?
ベストセラー本によく見られる掛け合わせには、以下のようなものがあります。
- 「実用」×「楽しさ」
例)参考書『ボカロで覚える』シリーズ - 「簡単」×「達成感」
例)『パン型付き! 日本一簡単に家で焼けるパンレシピ 』 - 「ダメ」×「成長」
例)『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
『ボカロで覚える』シリーズは『うんこ漢字ドリル』と同様、やりたくない勉強をやってもらうため、いかに楽しんでもらうか?という工夫から生まれた本でしょう。似たような企画として『エロ語呂日本史年号』という本も発売されましたが、こちらは女性陣に敬遠されそう。
『パンレシピ』は、レシピ自体も簡単ではありますが、付録にパン型がついているのがまた親切。パン型をわざわざ買うという、面倒なひと手間を取り除いたことにより、「すぐできる」というラクチンさがさらにアップしています。
「ダメ」×「成功」は、物語の王道でもあります。みすぼらしい娘が王子に見初められ結婚する(シンデレラ)、能力で劣る者がたゆまぬ努力で勝利を得る(ウサギとカメ)など、「まさかあの人が!」というギャップが大きければ大きいほど、成功談にハクが付きます。ちなみに『都知事失格』など「すごい!」×「失敗」のベストセラーも多いのですが、こちらは狙ってできるものではないでしょう。
掛け合わせでヒットしたマンガもチェック
ありきたりの食材からも新しいレシピが生まれるように、既視感のあるテーマも別のテーマを掛け合わせることによって、新鮮な企画が誕生することがあります。男子のあるある話を浮世絵タッチで描いた『磯部磯兵衛物語』など、マンガにも成功例がたくさんあるので、読書を楽しみながら掛け合わせのパターンを探してみてください。