出版甲子園の勉強会で講師を務めました

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先日、学生のための出版コンペティション「出版甲子園」実行委員会主催の勉強会で、講師を務めてきました。

計33冊が出版されたコンペティション

出版甲子園は、学生が応募した本の企画を審査するコンペティションで、今まで世に送り出された本は、計33冊にのぼります。

審査員は、現役の編集者をはじめとする出版のプロですが、運営は学生たちの手によって行われ、決勝大会に進む企画は、彼らの手によって審査されています。今回は、企画のチェックポイントやアドバイスの方向性について、お話してきました。

一般的なポイントと学生ならではのポイント

学生の企画に限らず、共通するチェックポイントとしては、以下の内容が挙げられます。

  • 新規性/新しいトピック、これまでなかった視点、意外な組み合わせ
  • 読者の反応/この本を読んだら、読者の考え方や行動はどう変わるのか
  • 再現性/実用本では必須。この方法をどれだけの読者がマネできるのか

さらに見ていくのは、

  • 著者プロフィール/この企画で出版するのにふさわしい実績があるか
  • 書店の棚/この本が出版されたら、書店のどのコーナーに陳列されるのか
  • ライバル/同じような企画で、既に実績を上げている著者はいないか

加えて学生、若者の場合は、次の点も考慮します

  • 若者だからこその魅力/イマドキの価値観や風俗、学問の潮流などが感じられるか
  • 権威に対抗できる魅力があるか/同じ分野の権威に対抗できるパワーがあるか
  • バカ/小学生男子のような、純粋なバカの爆発力は見逃せません

真面目なバカの暴走にも期待

当日チェックした企画は3点。そのうち2点は、自分の研究対象を企画にしたもの。もう1点は、プライベートな経験をコミカルに描いたものでした。

論文やブログなどで文章を書きなれている人は、やはり有利です。出版企画のつくり方も文章もこなれているし、これまで自分の書いた文章を、教授や読者に批評されてもいるので、読者は何を知りたいのか、どこが読みどころなのか、勘所を押さえています。

反面、そつなく真面目にまとまってしまう企画も多いので、バカらしい発想や貪欲なパワーをもっと見せてもいいかも? 真面目がダメで、バカが正義ではありませんが(むしろ逆)、「なんだコレは?」というインパクトを若者に求めてしまうのは大人の常。その点、第10回グランプリを受賞した『恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略』は、昆虫愛にあふれたバカっぷり(褒めてます)が、Eテレ『昆虫すごいぜ!』の香川照之の暴走を彷彿とさせ、シビレます。

チャンスをつかみたい学生は、ぜひ応募して

出版甲子園は、学生しか応募できないコンペなので、おのずとライバルは少なくなります。本を出版したい学生や、将来出版社で活躍したい学生は、ぜひ企画を応募して、チャンスをつかんでください。大会には、審査員として名だたる出版社の編集者も参加するので、観客として見に行くのもおすすめです。

こちらは、第9回大会出場作品の書籍化です。

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