Kindleも愛用している私ですが、やはり紙で買っておきたい本があります。
たとえば、寝る前に読む本。具体的には、絵本や写真集、心が落ち着く内容の本ですが、じっくり吟味したり、熟読するというよりも、その日のもろもろを忘れて、気持ちを穏やかにしたくて読むので、デバイスの光刺激があると邪魔なのです。
寝る前に、子どもに読んであげる絵本。親しい友人にプレゼントする本。短歌や詩歌など、短い言葉で、広く深い世界を味わうもの。そんな本は、やはりデジタルよりアナログの方が向いています。付録付き、CD、DVD付きの本も、デジタルでは無理です。
コレクションやジャケ買いも、紙の本ならではの楽しみです。たとえば、ヒグチユウコさんのイラストが想像を掻き立てる『御命授天纏佐左目谷行』(日和聡子/講談社)。この本は、ほとんど中身を見ず、即、購入してしまいました。表紙だけでも、買う価値があると思ったから。
反対に、情報を得るためだけの本、一度読めばそれでいい本は、電子書籍で読んでいます。ページをめくるより、指でシュッシュとスワイプする方が早くて便利だし、電子書籍の方が安いことも多いし。
こうして考えると、読み聞かせなどアナログなコミュニケーションを楽しむ本、辛い気持ちや疲れた心を慰める本、インテリアの一部になりそうな本、何度も繰り返し利用する実用本、そして付録付きの本は、紙に軍配が上がるようです。ワークブックや脳トレ、塗り絵など、書き込み式の本もそうですね。
高価な着物や宝石のように、親から子へ、さらに孫へと引き継がれる名作絵本も、紙だからこそ価値があります。少し紙が古びていたり、うっすら落書きの跡が残っている方が、家族の歴史がリアルに伝わります。