12月27日(水)の新人・新刊・著者情報です。
著者の石川祐基さんは、グラフィックデザイナーとして活動しながら、鉄道と文字のウェブマガジン「もじ急行」を運営しています。
今回の著書では、北海道から沖縄まで全国の駅名標を、書体とともに写真付きで紹介しながら、鉄道に使われる文字とそのデザインについて解説しています。
ファンが多いジャンルでは、変わった企画も通りやすい
鉄道好きの人は多く、ファン向けの本も、乗車経験を中心にしたものや、歴史を語るもの、図鑑などイラストや写真で解説するもの、児童向けの絵本など、幅広いジャンルがそろっています。
鉄道のように、古くから熱心なファンが多くいるジャンルや、食べ物など誰にとっても身近な話題では、正統派の企画だけではなく、ややマニアックだったり、少し変わった企画も受け入れられやすい傾向があります。
「真面目なのにどこか変」という本が売れている
最近では児童書で、ちょっと変わった角度から、生き物の特徴を取り上げた本がヒットしていますが、サブカル的な悪乗りやおふざけではなく、「真面目なのにどこか変」という本が支持されているようです。
「真面目なのにどこか変」という企画は、対象への愛と知識がないと思いつきません。その対象が好きだからこそ、どんなささいなことでも知りたくなるし、好きだからこそ、ちょっとヘンなところも、かえって愛おしくなるからです。
大学院生や研究者など真面目に学問に打ち込んでいる人は、研究対象への愛を込めた一般読者向けの本を企画してみると、自然と「どこか変」(褒めてます)なアイデアが生まれてくるかも?
【本日のまとめ】
- 熱心なファンが多いジャンルや、誰にとっても身近なジャンルは、変わった企画もOK
- 「真面目なのにどこか変」という企画が、いま受け入れられている
- マニアや研究者は、対象への知識と愛を、一般の人向けの出版企画に仕立ててみては?