女性がひとりで起業して成功するには?

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『マイペースで働く! 女子のひとり起業』(滝岡幸子/同文舘出版)を読んで、ひとり起業の可能性について考えてみました。

家庭の事情と働き方をすり合わせる

私の周囲では、家庭の事情と自分の働き方をすり合わせた結果、ひとり起業、フリーランスの道を選んだ女性が多いです。妊娠・出産で退職せざるを得なくなり、フリーで働くデザイナー。3.11を機に、何かあったらいつでも子どもの元へ駆けつけることができるよう、在宅の仕事に切り替えたカウンセラー。子育てが一段落して、自宅の一部をサロンに改装して開業したセラピスト。私自身も出版社を退職後、子どもが大きくなってからフリーのライターとして働き始め、今に至ります。

3つのタイプ~チーター、カルガモ、くじゃく

本で紹介されている事例は、アーユルヴェーダサロン、花屋、パンの出張販売、ハンドメイド作家、教室講師、ネットショップ運営など。どれもライバルが多いジャンルですが、お客さまが店や講師のファンとなり、リピーターになってくれれば、商売が軌道に乗るでしょう。

それぞれの事例には、開業費用や客単価などの情報も添えられていますが、売上や利益は掲載されていません。「そこがいちばん知りたいのに!」ともどかしい気もしますが、取材される側としては、公表したくない気持ちもわかります。少ないと恥ずかしいし、多いとやっかまれそうだし。

この本では、勢いで起業する女性を「チーター型」、家庭との両立を重視する女性を「カルガモ型」、趣味や経験を生かして起業する女性を「くじゃく型」と名づけていますが、私の周囲に限れば、チーターは少ない。きっと、生まれながらの起業家であるチーターには、こじんまりとしたひとり起業より、どんどん事業を拡大していくアグレッシブなスタイルの方が性に合っているのでしょう。

国家資格も侮れない武器のひとつ

本では触れていませんが、国家資格を生かして起業する女性もいます。弁護士、行政書士などいわゆる「士業」で独立する。鍼灸師、柔道整復師として店舗や施設を開設する。ほかには製菓衛生師の資格を取得してケーキショップを開く、管理栄養士として食や健康の分野で起業するなど。

「資格では食えない」とよく言われますし、確かに資格「だけ」では食えないかもしれませんが、やはり国家資格は取得が難しいだけに、地道に勉強や努力ができる人が手にしているもの。資格取得者は地に足の着いた事業計画を作成できるし、実行できるという印象があります。

一方、民間資格や特殊な分野で成功した人は、華やかなルックスと社交的な性格の持ち主が目立ちます。中には指導者的、もっといえば教祖的なパワーがあり、悩み多き人をグイグイ引き寄せる磁力を持つ人もいます。

無意識レベルで「好き」なことなら続けられる

事例に登場する女性たちのタイムスケジュールを見ると、仕入れや仕込みのため、夜中の2時、3時に起床する人もいます。最初はゆるく始めたとしても、好きなことを仕事にして利益を出すには、やはり人並みの仕事量では難しいし、寝ても覚めても仕事のことが頭から離れません。

つまり、ひとり起業に向いているのは、わずかなスキ間時間しかなくてもついやってしまうことや、寝る間を惜しんででもやりたいことがある人です。たとえハードワークの日があっても、途中でペースダウンせざるを得ない事情があっても、無意識のうちにやってしまうくらい「好き」なことを仕事にすれば続けられるし、そこまで好きなことは、あきらめたり止めること自体が難しいので、結果としてしぶとく生き残っていけるでしょう。

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