9月18日(月)の新人・新刊・著者情報です。
著者の成宮アイコさんは、機能不全家庭で育ち、不登校、リストカット、社会不安障害を経験した朗読詩人。
今回の著書は、朗読詩や対談を交えながら自身のメッセージをつづった、ドキュメントエッセイです。
「生きづらさ」を表現する2つの方法
個人の「生きづらさ」を表現した本が次々と出版され、ヒットしています。中でもマンガやイラストエッセイは、深刻なこともユーモラスに表現できるので、読む方はラクです。
一方、詩や短歌で、生きづらさをまっすぐに表現する若手も目立ちます。
ストレートな叫びにはエネルギーが必要
辛い気持ちを率直に書いて売れた本は、多くは10代から20代の若者が著者です。若い人のストレートな叫びは人の心を打ちますが、著者が大人になるにつれ、その叫びのインパクトは徐々に弱まっていきますし、本人もそのスタイルがしんどくなってきます。
視点を変えれば、今の気持ちを短い言葉にのせ、率直に表現する手法は、エネルギーに満ちた若い人の特権だと言えます。年をとっても、生きづらさが薄まるとは限りませんし、むしろ増すこともあるはずなのですが、おじさんやおばさんのストレートな心の叫びは、くたびれた外見と若々しい行動のギャップのせいか、どこか滑稽味を帯びてしまいがちです。
短い言葉に気持ちを凝縮する
Amazonのランキングでも、若い人の歌集が上位にランクインしていますし、詩集のランキングでも、有名詩人が若い頃に書いたものが人気を集めています。
生きづらさを表現したい人だけではなく、恋愛の一瞬や人生への決意を形にしたい若い人も、詩や短歌のような、気持ちを言葉に凝縮する表現方法が、しっくりくることがあるので、歌詞を書くような気持ちで、挑戦してみてはいかがでしょうか。
【本日のまとめ】
- 生き辛さを描くには、イラストで読みやすくするか、詩や短歌で切り取るのが有効
- 辛い気持ちを率直に書いて支持されるのは、若い著者の特権
- 若い人の一途な恋愛や強い決意も、詩や短歌で表現するのに向いている